同調



 それは最初に抱いた気持ち




「どうぞ」
 
「ありがとう」

かれこれいう間にテツヤの部屋に着いてしまった

なにかこざっぱりとしていて少し薄暗い

「何か飲むんだったら冷蔵庫から勝手に取っていっていいから。

 それと風呂に入りたいんだったらこっち、トイレはこっちだから。」

一応彼女のために不自由にならないように部屋の説明をした

「どうしてここまでしてくれるの?」

「どうしてだろうな。まああんまり深くは考えないでくれ。俺がしたいだけだから。」

そうい言ってテツヤは冷蔵庫へ行きビールを取り出した

「君も飲むかい?」

ビールをもう一本取り出し彼女に勧めた

「そうね、いただくわ…。ありがとう。」

彼女は素直に受け取った 黒髪が月光に当たりとても彼女が綺麗に見えた

テツヤはなにかもどかしいようなむずがゆいような そんな感覚に襲われた

やばい 

テツヤはそう感じた なにかをしでかしてしまいそうな予感がする

「君はそのベッドで眠ればいい。俺はこのソファーで寝るから。」

「えっ?」

「聞こえなかったのか?」

テツヤは不思議そうに彼女のいるベッドの場所まで移動した

「そうじゃなくて、そんなの…悪いわ。あなたがここで寝るべきよ。」

彼女はもどかしそうな表情を浮かべた

もうだめだ

「じゃあ一緒に寝るか??」

そういってテツヤは彼女をベッドに座らせた

長い沈黙 一瞬が永遠に変わったような気がした

彼女はあっけに取られたような それでも熱い視線をテツヤに向けていた

長い間見つめ合って 自然に テツヤは 彼女に唇を合わせていた

自然に 何回もしたことのあるような

テツヤは彼女を抱きしめたいと思った なぜそう思ったのだろう

それは最初に彼女に惹かれたからだろうか 

でもそんなことどうでもいい



彼女を抱きしめた 彼女はなにもなかったかのように抱擁に応じてくれる


彼女も同じ気持ちなのだろうか? 


俺と同じように感じたのだろうか


指図をしない素肌のぬくもり 


そのぬくもりを感じて 


彼女を強く抱きしめた